「朝ごはんを抜いてトレーニングした方が脂肪が燃える」
「空腹の方が痩せやすいと聞いた」
そんな話を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
確かに“空腹時のトレーニング=脂肪燃焼効果が高い”というイメージは広く知られています。
しかし実際には、空腹状態での筋トレはダイエットにも健康にもマイナスになることが多いのです。
この記事では、「なぜ空腹での筋トレが良くないのか」「どうすれば効率よく脂肪を燃やせるのか」を、科学的な観点からわかりやすく解説します。
空腹時の筋トレで起きる3つの問題
まず、空腹状態でトレーニングを行うと体内で何が起きるのかを見ていきましょう。
① 筋肉が分解されやすくなる
人の体は、エネルギー源が足りない状態になると、筋肉中のアミノ酸を分解してエネルギーに変えようとします。
つまり、空腹時に筋トレをすると、脂肪よりも先に筋肉が分解される危険性があります。
特に朝のトレーニングでは、前の食事から10時間以上空いているため、筋肉の分解(カタボリック状態)が起こりやすくなります。
せっかく筋トレしても筋肉が減ってしまっては、代謝が下がり、結果的に太りやすい体質になってしまいます。
② パフォーマンスが低下する
空腹時は、血糖値が低いために脳や筋肉に十分なエネルギーが届きません。
その結果、
-
力が入りにくい
-
集中力が続かない
-
トレーニング中にフラつく
といった症状が出やすくなります。
十分な力を発揮できない状態では、筋肉にしっかりと刺激を与えられず、トレーニング効果も半減してしまいます。
③ 体脂肪が落ちにくくなる
「空腹時の方が脂肪が燃える」と言われる理由は、確かに一理あります。
空腹時には血糖値が低く、体はエネルギー源として脂肪を使いやすくなるためです。
しかし実際には、トレーニングの強度が落ちることで消費カロリー自体が減るため、結果的に脂肪燃焼効率は下がります。
つまり、理論上は脂肪が燃えやすくても、パフォーマンスが下がれば「燃焼量」は減るということ。
「燃える効率」よりも「燃やす総量」が重要なのです。
筋トレ前にエネルギーを入れるメリット
空腹での筋トレが逆効果である一方、軽くエネルギーを補給してから行う筋トレには多くのメリットがあります。
① 筋肉の分解を防げる
トレーニング前に少量の糖質を摂ることで、血糖値が安定し、筋肉がエネルギー源として分解されにくくなります。
おすすめは、
-
バナナ
-
おにぎり(半分〜1個)
-
スポーツドリンク(100kcal以内)
など、消化吸収が早い軽食。
トレーニングの30〜60分前に摂るのがベストです。
② トレーニング強度を維持できる
エネルギーを補給してからトレーニングを行うことで、パワーが出やすくなり、筋肉への刺激がしっかり入ります。
結果として、消費カロリーが増え、筋肥大・脂肪燃焼の両面で効果的になります。
③ 脂肪燃焼効率が上がる
糖質を少し摂ることで、血糖値が安定し、長時間の運動でもエネルギー切れを起こさずに脂肪燃焼を継続できます。
体脂肪を減らしたいなら、「糖質ゼロ」ではなく「適度に糖質を摂って長く動ける」状態を作ることが大切です。
空腹時でも安全にトレーニングする方法
それでも「朝しか時間がない」「どうしても空腹でしかトレーニングできない」という人もいるでしょう。
そんな場合は、完全な空腹を避けるための工夫を行いましょう。
① BCAAやEAAを摂取する
これらは筋肉の材料となるアミノ酸で、摂取すると筋分解を防ぎつつ軽いエネルギー補給ができます。
特に朝トレ派には効果的です。
水やスポーツドリンクに溶かして飲むだけなので、消化の負担もありません。
② 有酸素運動は軽めにする
空腹時に行うなら、ウォーキングなど軽い運動に留めましょう。
強度が高い運動は筋肉を消耗しやすく、脂肪燃焼どころか代謝低下のリスクがあります。
③ トレーニング後は早めに栄養補給を
空腹でのトレーニング後は、体が栄養を吸収しやすい状態になっています。
放置すると筋肉の分解が進んでしまうため、できるだけ30分以内にプロテインや食事を摂ることが重要です。
ダイエット中に陥りやすい「空腹信仰」の落とし穴
ダイエットをしていると、つい「食べなければ痩せる」と思ってしまいがちです。
しかし、空腹を続けることで体は「エネルギーを節約するモード」に入り、代謝が落ちやすくなります。
さらに、エネルギー不足によるストレスや睡眠の質低下も起きやすくなり、ホルモンバランスが崩れて太りやすくなるという悪循環に陥ることも。
本当に脂肪を減らしたいなら、
「食べない」ではなく「必要な栄養を適切に摂る」ことが大切です。
空腹時トレーニングが向いている人・向いていない人
実は、体質や目的によっては空腹時トレーニングが向く人もいます。
ただし、それはかなり限定的です。
向いている人
-
有酸素運動メインで、軽めのウォーキングをする人
-
前日しっかり栄養を摂っており、エネルギーが体内に残っている人
-
筋肉量を維持するより、脂肪燃焼を優先したい人
これらに当てはまる場合は、BCAAなどを摂取しながら軽く体を動かすのはOKです。
向いていない人
-
筋トレ初心者
-
筋肉をつけて代謝を上げたい人
-
朝食を抜きがちな人
-
疲労や睡眠不足が続いている人
これらのタイプは、空腹時にトレーニングすると筋肉が減るリスクが高く、逆効果になりやすいです。
効率的に脂肪を燃やすなら「栄養+筋トレ+休養」
ダイエットを成功させるためには、「消費カロリーを増やす」ことが最重要です。
そのためには、
-
栄養を摂って筋肉を動かす
-
筋肉を育てて代謝を上げる
-
睡眠で回復させる
この3つのサイクルを整えることが必要です。
空腹状態で筋トレをしても、代謝を落とすだけで長期的なダイエットにはつながりません。
パーソナルトレーナーの視点から
現場で多くのクライアントを見ていると、**「空腹時トレーニングで痩せた人」より「適切に栄養を摂って継続できた人」**の方が圧倒的に成功率が高いです。
「体脂肪を落とす=カロリーを減らす」ではなく、
「筋肉を活かして脂肪を燃やす」考え方に切り替えることが、健康的に痩せる最大のポイントです。
まとめ:空腹での筋トレは“逆効果”になりやすい
-
空腹時は筋肉が分解されやすく、代謝が落ちる
-
エネルギー不足でトレーニング強度が下がる
-
結果として脂肪燃焼効率も悪化する
→ 軽く糖質を摂取してから筋トレを行う方が、効率的かつ健康的に痩せられる
ダイエットの目的は「体重を減らすこと」ではなく、「理想の体を作ること」。
そのためには、空腹で頑張るよりも、栄養を味方につけて賢くトレーニングすることが重要です。
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株式会社ReGlow
住所:東京都杉並区荻窪2-23-13 Arte荻窪201
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